日本での留学生活に慣れてくると、「将来はこのまま日本で働きたい」と思う方も多いでしょう。
留学生が日本で就職するためには、いくつかの大切なルールや手続きがあります。
この記事では、
在留資格の変更や更新の際に重視される、生活上の5つのポイントをお伝えします。
将来のために、今からできる準備をしましょう。
日本で就職するために知っておきたいこと
「留学」のままでは就職できない?
「留学」は、「勉強するため」の在留資格です。
そのため、大学や専門学校を卒業してすぐに働き始めるには、「就職にふさわしい在留資格」に切り替える必要があります。
「就労系VISA」と言われる「働くことが可能な在留資格」があります。
大卒の場合、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が代表的です。
「技術・人文知識・国際業務」は、省略して「ぎじんこく」と呼ぶことが多いです。
就職のためにビザを変更する:普段の生活も大事
在留資格の変更などの申請時、入管(nyukan=出入国在留管理庁のこと)は、さまざまな審査を行います。
その際、日々の生活態度や在学中の活動内容も確認されます。
そのため、学生であるうちから準備を始めることが大切だと思います。
在留期間更新・在留資格変更に影響:生活上の5つのポイント
在留資格に関する申請では、申請人の「日本での活動」が法的な要件に当てはまることが必要です。
さらに、日々の行動が審査に影響します。
以下では、生活上の行動で在留審査に影響する点をお伝えします。
次のような「良い行動」をおすすめいたします。
① きちんと勉強している(出席率・日本語力・専門知識)
在留資格「留学」は、学業に専念することが前提です。
出席率が低い、定期試験を受けていない、日本語能力の向上が見られない、などの状況が続くと「本当に学ぶ意思があるのか」と入管に疑われるかもしれません。
入管に良くない印象を残してしまうと、在留資格の変更や期間更新が難しくなることもあります。
まず第一に、日々の授業に真剣に取り組むことをおススメいたします。
そして、日本語能力試験(JLPT)を受験しN1の資格取得を目指すことも、将来の就職につながると考えられます。
② アルバイトのルールを守っている(週28時間以内)
留学生がアルバイトをするには「資格外活動許可」が必要です。
また、許可を得ていても、働ける時間には制限があります。
制限時間は、必ず守らなければなりません。
働ける時間は、原則として週28時間以内、学則で定める長期休暇中は1日8時間以内です。
この制限時間を超えて働いてしまうと、「勉強ではなく働くことが主な目的では?」と入管が受け止める可能性があります。
そして、「在留資格の目的に反している」と認められると、「留学」の在留期間更新や「就労ビザ」への在留資格変更が厳しくなることもあります。
アルバイト先である会社やお店にも事情を説明し、資格外活動許可で認められた範囲内で働くようにしましょう。
こっそり働くつもりであっても、不正な勤務は日本の政府にバレてしまう可能性が高いと思われます。
会社からは、従業員の収入が税務署に申告されます。そして、一人一人に課税証明書が作られます。課税証明書には収入額が記載されます。「高い収入額」が記載されれば、「長時間労働していた」と想像できます。そのため、「働き過ぎ」を隠すことができず、入管にわかってしまうと思われます。
将来を考えて慎重に行動していただきたいと思っています。
③ 引越し後の住所変更届をしている
引っ越しをするときは、市区町村役場で住所変更手続きを行います。
別の市区町村へ引越す場合には、引越しの前に現住所の市区町村に転出届を出します。
引越し後は、14 日以内に、新しく住むことになった市区町村に転入の届出をします。
同じ市区町村内で引越す場合は、引越してから 14 日以内にその市区町村に転居の届出をします。
役所で引越しの届出を行う際、在留カードを忘れずに持参しましょう。
在留カードの記載内容も更新することになります。
この手続きを怠ると、「届出の義務に違反した」とされ、将来の在留資格変更や在留期間更新の際にマイナス評価となる場合があります。
ちょっとしたことに見えるかもしれませんが、正しい届出をすることは重要だと思います。
④ 保険料などをきちんと納めている
日本に住んでいる間は、原則として国民健康保険への加入と保険料の支払いが必要です。
また、20歳以上であれば国民年金の加入対象になり、この保険料の支払いも必要です。
それぞれの保険料について、「未納」(=支払っていない)状態が続くと、入管が「問題あり」と受け止める可能性があります。
お金がなくて保険料の支払いが難しいときは、市区町村の窓口で相談しましょう。
窓口では、保険料を減免する手続きについて聞いてみてください。
手続きをしないで未納となるのは良くないことです。
必ず市区町村の窓口で相談しましょう。
⑤ 交通違反や素行不良がない
在留資格の審査では、日常の生活態度や法令遵守の状況も重視されます。
たとえば、飲酒運転や無免許運転、窃盗などの犯罪のほか、繰り返される交通違反も「素行不良」と判断されることがあります。
知らないうちに法律に違反していた…ということのないように、日本のルールやマナーを理解し、誠実な生活を心がけていただければと思います。
迷うこと、困ったことが起きたら、大学や専門学校の窓口で相談してみましょう。
まとめ:今の生活が、将来のビザに影響します
「今は学生だから大丈夫」と思っていることでも、将来のビザや就職に大きく関わってくることがあります。
授業への出席率やアルバイトの時間、保険料の支払いなど、良い行動が大切です。
良い行動の積み重ねが信頼を作ります。
信頼があれば、将来の選択肢を広げてくれます。
日本で働きたいという夢や希望があるならば、今日からできることを始めてみましょう。
わからないことがあれば、遠慮せず周囲に相談してみてください。
在留資格の変更や更新がある場合、当サイトの運営事務所「行政書士やまおか事務所」が手続きを代行いたします。
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なお、「外国人生活支援ポータルサイト」というWebサイトを出入国在留管理庁(入管)が作っています。
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